消費者庁は2025年6月26日、株式会社和がアンケート副業広告を入口にアフィリエイト副業の高額サポート契約へ誘導し、断定的判断の提供を行っていたとして注意喚起を公表しました。
在宅副業を探している人が知るべきなのは、「副業が危険かどうか」ではありません。最初に見せられた仕事と、最終的に契約させられる内容が一致しているかです。
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株式会社和の副業勧誘で何があったのか?
消費者庁は2025年6月26日、「簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起」を公表しました。
対象として公表されたのは、東京都新宿区に所在地を置く株式会社和です。
消費者庁によると、2024年7月以降、SNSなどに表示されたアンケート副業の広告をきっかけに、副業サポートプランの契約を勧められたという相談が、各地の消費生活センターなどに数多く寄せられていました。
相談内容には、「初心者でも簡単に稼げる」「このプランなら月50万円が当たり前になる」「利益が出なければ返金保証がある」といった説明を受けた後、高額な契約をしたものの、想定した報酬を得られなかったというケースが含まれていました。
消費者庁は調査の結果、株式会社和が消費者の利益を不当に害するおそれのある行為として、断定的判断の提供を行っていたことを確認したとしています。
ここで重要なのは、消費者庁が「副業そのもの」を問題にしたわけではない点です。
問題とされたのは、契約金額以上の報酬を簡単に得られるかのように説明し、消費者が将来の収益を確実視しやすい状態で高額契約へ進む構造です。
副業初心者が警戒すべきなのは、「アフィリエイト」「SNS運用」「動画編集」といった職種名ではありません。
どのような根拠で収益が得られると説明され、その説明を前提に高額な支払いを求められているかを見る必要があります。
アンケート副業からアフィリエイト契約へ誘導された流れ
今回の注意喚起では、副業広告から高額なサポートプラン契約までの流れが具体的に示されています。
最初の入口は、SNSなどに表示される「1日数回のアンケートに答えるだけで収入を得られる」といった趣旨の広告でした。
広告をタップすると、LINEアカウントの友だち追加を求められます。
その後、「スマホ副業ランキングNo.1」「即日ザクザク副収入」など、副収入への期待を高める表現を見せながら、別のLINEアカウントへ誘導される流れがありました。
次に、アンケート副業を始めるために必要だとして、ガイドブックの購入を案内されます。
その後、電話で説明を受ける段階になると、当初のアンケート副業とは異なり、実際にはアフィリエイト副業を案内すると説明され、高額なサポートプランへの加入を勧められたとされています。
消費者庁の公表資料では、「60日間で250万円のサポートプランに参加すれば、それ以上の報酬を得られる」といった趣旨の説明も確認されています。
この流れを整理すると、次のようになります。
| 段階 | 消費者に示される内容 | 注意すべきポイント |
|---|---|---|
| SNS広告 | アンケートに答えるだけの副業 | 仕事内容が単純に見える |
| LINE登録 | 副業情報やランキングの案内 | 外部チャットへ移動させる |
| ガイドブック購入 | 副業開始に必要だと説明 | 少額支払いで心理的抵抗を下げる |
| 電話説明 | 実際はアフィリエイト副業と説明 | 広告時点の仕事内容と変わる |
| 高額契約 | サポートプランへの加入を案内 | 収益見込みを強調して判断を急がせる |
| 借入れ・送金 | 消費者金融からの借入れを提案 | 副業開始前に生活資金へ影響が及ぶ |
この事例で見逃してはいけないのは、最初の広告で提示された「アンケート副業」と、後から契約を勧められた「アフィリエイト副業」が異なっていることです。
読者が副業広告を見るときは、「無料かどうか」「スマホだけでできるか」より先に、次の質問を置くべきです。
- 最終的に自分は何をするのか
- どの段階でお金を払うのか
- 報酬は誰から何に対して支払われるのか
- 契約しなければ仕事の内容を確認できないのか
- 広告で見た副業と、後から説明される副業は同じか
この5点に答えられないまま進む副業は、登録時点ではなく契約前に止めるべきです。
なぜLINE・電話・画面共有・借入れが組み合わされるのか?
今回の株式会社和の事例では、複数のLINEアカウントへの誘導、電話での説明、画面共有・遠隔操作アプリの利用、借入れの案内といった要素が組み合わされていました。
消費者庁の公表内容では、AnyDeskという遠隔操作・画面共有アプリを使い、スマートフォン画面を共有させながら、副業サポートプランの契約を勧める流れも示されています。
LINEや画面共有アプリそのものが危険なわけではありません。
実際の業務でも、LINE、Chatwork、Slack、Zoom、Google Meet、Teamsなどが使われることはあります。
問題は、仕事内容や契約条件が十分に確認できていない段階で、相手が連絡手段を細かく移し替え、電話や画面共有によってその場で判断させようとすることです。
文章だけなら、消費者は一度画面を閉じて考える時間を持てます。
しかし電話では、相手の話す速度や雰囲気に流されやすくなります。
画面共有では、「ここを押してください」「この画面を見せてください」と言われるまま操作が進み、自分が何に同意しているのかを整理する時間が減ります。
複数のLINEアカウントを使う流れも、単なる連絡の都合とは限りません。
情報が複数の場所に分かれると、最初に見た広告、途中で送られたメッセージ、契約時の説明を一つの流れとして比較しにくくなるからです。
筆者としては、この事例の本質は「一度に大きな決断を迫る」ことではなく、小さな行動を積み重ねさせて、途中で引き返しにくくする設計にあると考えます。
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ガイドブック購入も、一見すると大きな出費ではないかもしれません。
電話での相談も、「話を聞くだけ」と思う人がいるでしょう。
しかし、その一つひとつが積み重なると、「ここまで進めたのだから」と感じ、高額契約への心理的な抵抗が下がることがあります。
自分に合う副業を一人で決めきれない方は、先に選択肢を比較しておくと判断しやすくなります。
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「断定的判断の提供」とは何か?
消費者庁が今回確認したとする「断定的判断の提供」とは、将来の利益や収入について、確実に得られるかのような判断材料を示して契約を勧める行為を指します。
副業や投資の世界では、結果は本来、作業量、市場環境、商品選定、集客力、スキル、競合状況など、多くの条件に左右されます。
特にアフィリエイトは、広告主の商品やサービスを紹介し、成果条件を満たした場合に報酬が発生する仕組みです。
報酬を得るまでには、媒体づくり、記事作成、集客、広告主ごとの承認条件、成果発生後の確定など、複数の工程があります。
そのため、「初心者でも簡単に稼げる」「月50万円が当たり前になる」「契約金額以上の報酬を得られる」といった説明があったとしても、読者はその言葉だけで収益性を判断してはいけません。
重要なのは、次の3点です。
- 収益が発生する仕組みを自分の言葉で説明できるか
- 収益見込みに、客観的な根拠や前提条件が示されているか
- うまくいかなかった場合に、自分が負う損失を把握できているか
返金保証についても同じです。
「返金保証があるから安心」と聞くと、損失がないように感じるかもしれません。
しかし、返金の対象条件、申請期限、必要な作業量、返金不可となる条件、証明書類の有無まで確認しなければ、保証の実効性は判断できません。
返金保証は、契約の安全性を証明するものではありません。
むしろ、高額な契約を検討する場面では、「保証があるから契約する」ではなく、保証が必要なほど不確実な収益説明になっていないかを確認するほうが重要です。
借入れを勧められた時点で確認すべきこと
消費者庁の注意喚起では、契約をためらう消費者に対し、消費者金融業者から借り入れるよう勧められたケースも示されています。
「借りられた分だけでプランを進めればよい」「足りない分は儲かってから払えばよい」といった趣旨の説明を受けた事例もありました。
最終的には、複数の消費者金融業者から借り入れた数百万円を、指定口座へ送金するよう誘導されたとされています。
これは、副業初心者が最も強く立ち止まるべき場面です。
副業は、本来、生活に収入の選択肢を増やすためのものです。
ところが、始める前に借入れが必要になり、返済義務だけが先に発生するなら、収益化前から生活防衛資金が削られていきます。
たとえ副業の仕組み自体が合法的な分野であっても、借入れを前提に高額なサポート費を支払う構造は、初心者にとってリスクが高いと考えるべきです。
特に、次のような言葉が出た場合は、契約をその場で決めないでください。
- 「借りてもすぐ回収できます」
- 「返済は利益が出てからで大丈夫です」
- 「今日だけ特別価格です」
- 「今決めないと枠が埋まります」
- 「審査だけでもやってみましょう」
- 「家族には言わなくて大丈夫です」
- 「画面を共有してくれれば操作を手伝います」
- 「メッセージは削除してください」
このような言葉が出ると、「自分だけが慎重すぎるのではないか」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、副業で収入を得るはずなのに、事業者側があなたの借入れ可能額を前提に契約を組み立てるなら、その時点で支払い構造を疑う合理的な理由があります。
借入れをするかどうかは、電話中やLINE上で決めることではありません。
少なくとも、契約書、返金条件、総支払額、借入れ後の返済額、収益が出なかった場合の生活への影響を、第三者と確認してから判断する必要があります。
株式会社和の事例から学ぶ「副業広告の見分け方」
今回の事例は、すべての在宅副業が危険だという話ではありません。
データ入力、Webライティング、動画編集、オンライン事務、物販、ブログ、アフィリエイト、SNS運用などには、実際に正当な仕事や事業の機会があります。
ただし、同じ職種名を使っていても、勧誘の設計が異なればリスクは変わります。
副業広告を見るときは、次の項目を確認してください。
確認項目 安全性を判断する視点
仕事内容 自分が何をして、何を納品・販売するのか明確か
報酬の根拠 誰から、何に対して、いくら支払われるのか説明できるか
契約内容 契約期間、料金、解約、返金条件が書面で確認できるか
支払い要求 教材費、登録料、サポート費、借入れを急かされていないか
事業者情報 会社名、所在地、連絡先、代表者、規約を確認できるか
勧誘方法 LINE追加、電話、画面共有を急かされていないか
説明の一致 広告、LINE、電話、契約書で仕事内容が変わっていないか
特に重要なのは、「広告の入口」と「契約の出口」を比較することです。
広告ではアンケート副業やスマホ副業と書かれていたのに、最終的にはアフィリエイトの高額サポート契約になる。
最初は初期費用なしと見せていたのに、後から教材費、コンサル費、サポート費が必要になる。
こうした変化がある場合、単に説明不足ではなく、最初に見せた情報と契約内容が一致していない可能性があります。
筆者が副業初心者に勧めたい判断基準は、「稼げるか」よりも先に、相手の会社が何で利益を得ているかを見ることです。
通常の仕事なら、企業は顧客から売上を得て、その一部を業務委託費や給与として支払います。
一方で、相手の主な利益が参加者の登録料、教材費、サポート費、上位プラン料金に偏っているなら、あなたが副業で成果を出すことよりも、あなたが契約すること自体が事業者の利益になっている可能性があります。
この視点を持つだけで、「簡単」「高収入」「未経験歓迎」という広告文に振り回されにくくなります。
怪しい副業に関わってしまった場合の対応
すでにLINE登録をした、ガイドブックを購入した、電話で契約を勧められた、お金を振り込んだという人もいるかもしれません。
その場合、焦ってメッセージや広告を削除しないことが重要です。
消費者庁も、事業者から送られたメッセージ、URL、PDF、電話番号、会社名などを保存するよう案内しています。
残しておきたいものは、次のとおりです。
- 副業広告のスクリーンショット
- 募集ページや案内ページのURL
- LINEやチャットのメッセージ履歴
- 会社名、担当者名、電話番号
- 契約書、利用規約、返金条件
- 請求書、振込先口座、振込明細
- 借入れや送金を勧められた記録
- 画面共有や遠隔操作を求められた履歴
求人サイトやクラウドソーシングサービス内のメッセージは履歴を残しやすい傾向があります。
ただし、サービス内で募集されているからといって安全性が保証されるわけではありません。
外部チャットへの誘導、契約内容の変更、高額商品の販売、個人情報の要求などがあれば、サービスの規約や相談窓口も確認してください。
すでに支払いをした、借入れをした、個人情報を渡した場合は、一人で解決しようとせず、早めに相談することが重要です。
消費者ホットラインは「188」で、最寄りの消費生活相談窓口につながります。
犯罪被害や不審な勧誘が疑われる場合は、警察相談専用電話「#9110」への相談も選択肢になります。
相談するときは、「副業の話だった」だけではなく、「いつ、どの広告を見て、誰から、何を説明され、いくら支払ったか」を時系列で整理しておくと伝わりやすくなります。
筆者の考察:副業初心者が最初に学ぶべきはスキルではなく判断順序
今回の消費者庁の注意喚起を見て、筆者が最も重要だと感じたのは、副業トラブルの入口が「怪しそうな高額契約」ではなく、「誰でもできそうな簡単な副業広告」になっている点です。
アンケートに答えるだけ、スマホでできる、未経験でも始められる。
こうした入口は、副業に興味がある一方で、何から手をつければいいか分からない人ほど反応しやすい設計です。
そこから、LINE登録、少額購入、電話相談、画面共有、借入れ、高額契約へと進む。
この流れは、一つひとつを見ると小さな行動に見えます。
しかし、全体をつなげて見ると、「考える時間を減らし、途中で引き返しにくくする導線」になっています。
副業初心者は、ブログ、物販、アフィリエイト、投資、動画編集、Webライティングなど、どれを選ぶかで迷いがちです。
ですが、本来の順番はそこではありません。
最初に決めるべきなのは、何を始めるかではなく、何をしないかです。
- 借金をして副業を始めない
- 仕事内容が変わる案件には進まない
- 契約内容をその場で決めない
- 収益の根拠を説明できない話は保留にする
- 画面共有で金融情報や送金操作をしない
- 返金保証だけを理由に高額契約をしない
- 広告、LINE、電話、契約書の内容を比較する
この土台があれば、副業の選択肢はむしろ増えます。
なぜなら、「危険な案件を避けるために何もしない」のではなく、自分の生活を守りながら、条件が明確な仕事や学習を選べるようになるからです。
資産形成も副業も、短期間で人生を変える魔法ではありません。
しかし、不要な借金や高額契約を避け、小さく検証できる選択肢を積み上げれば、将来の収入源を増やすことはできます。
遠回りに見えても、契約前に立ち止まることが、結果として最短ルートになります。
まとめ
消費者庁は2025年6月26日、株式会社和について、アンケート副業広告を入口にアフィリエイト副業の高額サポートプランへ誘導し、断定的判断の提供を行っていたとして注意喚起を公表しました。
事例では、SNS広告、LINE登録、ガイドブック購入、電話勧誘、画面共有、借入れ、高額な送金という流れが示されています。
在宅副業を安全に始めるためには、「簡単に稼げる」「月50万円が当たり前」「返金保証がある」といった言葉だけで判断しないことが重要です。
広告で見た仕事内容と、最終的に契約を勧められる内容が一致しているか。
報酬は何に対して、誰から支払われるのか。
借入れや高額送金を求められていないか。
この3点を確認するだけでも、避けられるトラブルは増えます。
副業で収入を増やしたい人ほど、焦って契約しないでください。
自分のお金と判断力を守ることが、資産形成の最初の一歩です。
よくある質問
株式会社和の副業勧誘は違法と確定したのですか?
消費者庁は、株式会社和が消費者の利益を不当に害するおそれのある行為として、断定的判断の提供を行っていたことを確認し、消費者安全法に基づく注意喚起を公表しています。この記事では、注意喚起で公表された内容をもとに解説しており、刑事事件の有罪や詐欺行為を断定するものではありません。
アフィリエイト副業そのものは危険ですか?
アフィリエイトは、商品やサービスを紹介し、成果条件を満たした場合に報酬が発生する仕組みです。正当なビジネス手法の一つですが、成果報酬であるため収益は保証されません。仕事内容や費用、サポート内容、収益の根拠を十分に確認せず、高額契約へ進むことには注意が必要です。
副業で借入れを勧められたらどうすればいいですか?
その場で契約や借入れの申込みをせず、やり取りや契約資料を保存してください。すでに支払いや借入れをしている場合は、消費者ホットライン188や警察相談専用電話#9110などへ早めに相談することが重要です。
出典:消費者庁「簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起」(2025年6月26日) caa.go.jp+1
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