投資初心者が最初に避けるべきなのは、生活資金まで使い、理解できない商品を他人のおすすめや短期の値動きだけで買うことです。
経済評論家・山崎元氏が示してきた投資判断の考え方や初心者向け資産運用情報を整理すると、「何を買うか」より先に「どんな条件なら買わないか」を決めることが、失敗を減らす重要な出発点になります。
FXや投資に興味がある方は、始める前に「増やすこと」だけでなく、リスクや資金管理の考え方も整理しておくことが大切です。
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投資初心者におすすめしない行動とは?
結論から言えば、投資初心者におすすめしないのは、自分で損得やリスクを説明できない状態のまま、先にお金を動かしてしまうことです。
投資情報メディア「トウシル」で、経済評論家の山崎元氏は初心者が投資を考えるうえで重要な判断原則を示していました。
内容を初心者向けに整理すると、ポイントは次の通りです。
- 投資の損得は自分で考え、最終判断も自分で行う
- 同じような投資対象なら、実質的な手数料が高いものを避ける
- 手数料や損失の仕組みを理解できない商品を避ける
- 商品販売によって利益を得る側の助言を、そのまま正解だと思わない
- 銘柄選びや売買タイミングで継続的に市場を上回れると過信しない
- 資産形成を目的とする投資と、短期的な値動きを狙う投機を区別する
- 税制上有利な制度も検討しながら、長期・分散・低コストを基本にする
ここで重要なのは、「危険な商品名」を暗記することではありません。
金融商品は変わります。相場環境も変わりますし、サービス内容や手数料体系も変更されます。
しかし、理解できないものには投資しない、コストを確認する、生活資金と投資資金を分ける、最終判断を他人に丸投げしないという基準は、商品が変わっても使えます。
山崎氏は1958年に北海道で生まれ、東京大学経済学部卒業後、三菱商事、野村投信、住友生命、シュローダー投信、メリルリンチ証券など複数の金融・事業会社を経験しました。
2005年には楽天証券経済研究所の客員研究員となり、その後も経済評論家として個人の資産運用について情報発信を続け、2024年1月1日に亡くなっています。
複数の金融機関を内側から見てきた山崎氏が繰り返し警戒していた考え方の一つが、
「自分には分からないから、詳しい人に全部任せればいい」
という発想です。
もちろん、専門家の知識を借りること自体に問題があるわけではありません。
問題なのは、専門家の意見を参考にすることと、自分が理解していない商品の最終判断まで他人に渡してしまうことを混同することです。
なぜ投資初心者は判断を誤りやすいのか?
投資では、判断の結果が「含み益」「含み損」という金額で目の前に表示されます。
そのため普段は冷静な人でも、価格が大きく上下すると感情に判断を引っ張られやすくなります。
山崎氏の記事では、行動経済学で扱われるオーバーコンフィデンス、後悔回避、プロスペクト理論などにも触れられていました。
オーバーコンフィデンスとは、自分の判断能力を実際以上に高く見積もる傾向です。
投資を始めた直後に相場全体が上昇し、利益が出ると、
「自分は銘柄を選ぶのがうまい」
と考えてしまう可能性があります。
反対に損失が出れば、
「もう自分では判断したくない」
と考え、専門家やSNSの発信者に答えを求めたくなることもあります。
さらに、人は利益を得た喜びより損失への不快感を強く受けやすいため、値下がりを見た瞬間に、もともとの長期計画を忘れて売却したくなる場合があります。
つまり、初心者が警戒すべき対象は怪しい金融商品や誤った情報だけではありません。
焦り、過信、不安、損を取り戻したい気持ちといった自分自身の心理も、投資判断を崩す要因になり得ます。
だからこそ、「価格が上がったら考える」「下がったら考える」では遅いのです。
感情が大きく動く前に、自分が守る基準を決めておく必要があります。
投資初心者が避けたい7つの失敗パターン
投資初心者におすすめしない行動を具体化すると、特に避けたいのは次の7つです。
| 避けたい行動 | 主な問題 | 投資前の確認 |
|---|---|---|
| 生活資金まで投資する | 急な支出や相場下落時に売却を迫られやすい | 生活防衛資金を別に確保しているか |
| 専門家や知人に判断を丸投げする | 自分が負うリスクやコストを理解できなくなる | なぜ選ぶのか自分で説明できるか |
| SNSのおすすめだけで買う | 発信者と自分では目的・資産状況・投資期間が違う | 根拠と一次情報を確認したか |
| 手数料を確認しない | コストが長期的な運用成果を押し下げる | 購入・保有・売却時の費用を把握したか |
| 短期売買を繰り返す | 値動きや感情で計画を変更しやすい | 売買する根拠を説明できるか |
| 一つの銘柄や資産に集中する | 特定企業や市場の下落による影響が大きくなる | 分散の必要性を検討したか |
| 理解できない商品を買う | 損失条件や費用を把握しないまま資金を投入することになる | 仕組み・リスク・費用を自分の言葉で説明できるか |
どれも文章で読むと当たり前に感じるかもしれません。
しかし、相場が上昇し、SNSや周囲から利益の話が増えてくると、この「当たり前」が崩れやすくなります。
「今買わないと乗り遅れる」
「友人が儲かったと言っている」
「有名な人がおすすめしている」
「ランキング1位の商品だから良さそう」
こうした情報が重なるほど、初心者は本来確認すべき順番を飛ばしやすくなります。
しかし長期的な資産形成では、始める速さだけを見るのではなく、相場が下落しても生活と判断を壊さずに続けられる設計かを見ることが重要です。
1. 生活資金まで投資する
最初に避けたいのが、生活費や近いうちに必要になるお金まで投資に回すことです。
三菱UFJ eスマート証券が2025年10月2日に公開し、2026年1月13日に最終更新した初心者向け記事では、投資前に確保する生活防衛資金の一つの目安として、生活費の3〜6カ月分程度という考え方が紹介されています。
ただし、これは全員に共通する絶対基準ではありません。
会社員か自営業か、毎月の固定費はいくらか、扶養家族がいるか、数年以内に大きな支出を予定しているかなどによって、必要な現金額は変わります。
重要なのは「3カ月か6カ月か」という数字そのものではなく、急な出費が発生しても投資資産を売らなくて済む現金を別に持つという発想です。
例えば100万円を株式や投資信託へ投資した直後に、相場が大きく下落したとします。
そのタイミングで家電の故障、収入減、病気などにより現金が必要になった場合、十分な手元資金がなければ、価格が下がった状態でも投資資産を売却せざるを得ない可能性があります。
これは「投資判断によって売った」のではありません。
生活上の事情によって、売るタイミングを決められてしまった状態です。
したがって初心者は「毎月いくら投資するか」より先に、
「いくらまでは投資に回さず現金で残すか」
を決める必要があります。
2. 専門家や知人に最終判断を丸投げする
投資の知識が少ないと、詳しい人へ判断を任せた方が合理的に思えるかもしれません。
しかし、情報を教えてもらうことと、最終判断を任せることは別です。
例えば金融機関の担当者から投資信託を紹介されたとしても、
「なぜ自分の目的に合うのか」
「どんなときに値下がりするのか」
「いくら費用がかかるのか」
を自分で理解できていなければ、契約を急ぐ必要はありません。
私は、初心者ほど「専門家を信用するか・しないか」という二択にしない方がよいと考えています。
正しい使い方は、説明は専門家から受けても、理解と最終判断は自分で持つことです。
3. SNSや知人のおすすめだけで買う
三菱UFJ eスマート証券の初心者向け記事でも、SNSや知人から得た情報だけを理由に投資する行動には注意が必要だと紹介されています。
SNSの情報がすべて間違っているわけではありません。
問題は、発信者の条件とあなたの条件が同じとは限らないことです。
例えば、
- 投資目的
- 年齢
- 収入
- 現在の資産額
- 投資できる期間
- 許容できる損失額
- 数年以内に必要になる資金
が違えば、同じ金融商品でも意味が変わります。
十分な現金資産を持つ人が「この株を長期保有する」と話している場合と、生活費ぎりぎりの人が同じ株を買う場合では、取れるリスクが違います。
さらにSNSでは、大きな利益が出た取引や急騰した銘柄ほど目立ちやすい一方、期待通りにいかなかった取引が同じ割合で目に入るとは限りません。
すると、
「周りはみんな投資で成功している」
という実態以上の印象を持つ可能性があります。
私は、SNSで投資情報へ簡単に触れられる時代だからこそ、山崎氏の「損得は自分で考える」という原則の価値はむしろ高まっていると考えます。
情報源は他人でも、注文ボタンを押す理由は自分の中になければいけません。
4. 手数料を確認せずに投資する
投資初心者が見落としやすいものの一つが、手数料です。
値上がり率や過去の運用成績は大きく表示されやすい一方、購入時、保有中、売却時などに発生する費用は地味に見えます。
しかし投資家の手元に残る成果は、単純な値上がり率だけでは決まりません。
運用によるリターンから費用を差し引いた後に残るものが、実際の成果です。
山崎氏は、同じような投資対象なら実質的な手数料が高い商品を避ける考え方を重視していました。
紹介例として、日本株に投資する2本の投資信託があり、一方の運用管理費用が年率1%、もう一方が年率0.2%なら、その差は年間0.8ポイントになります。
大事なのは、「必ず安い方が高い利益になる」と断定することではありません。
投資対象、運用方法、サービス内容が異なれば単純比較はできません。
しかし、将来の相場は分からなくても、設定されているコストは購入前に確認できるという点は非常に重要です。
初心者ほど、「これから上がる市場」を当てることに時間を使うより、まず確認できる条件を確認した方がいいと私は考えます。
5. 短期の値動きだけで売買を繰り返す
三菱UFJ eスマート証券の初心者向け記事では、「短期売買に走る」ことも注意したい行動として紹介されています。
もちろん、短期売買そのものを一律に否定する話ではありません。
短期取引の特性やリスクを理解し、明確な手法を持って取引する人もいます。
問題なのは、長期的な資産形成をしたい初心者が、目の前の値動きによって投資計画を毎回変更してしまうことです。
価格が急上昇すると、
「今買わなければもっと高くなる」
と焦る。
購入後に値下がりすると、
「さらに下がる前に売らなければ」
と不安になる。
この状態では、自分の投資目的ではなく、画面に表示された価格が行動を決めています。
結果として、値上がりした後に慌てて買い、値下がりした後に怖くなって売るという行動につながる可能性があります。
長期的な資産形成が目的なら、毎日の価格予想に自分の資産計画を依存させすぎないことが重要です。
6. 一つの銘柄や資産へ集中する
特定企業の株式や一つの資産へ大きく集中すると、その企業や市場に問題が起きた場合に資産全体が大きな影響を受けます。
「よく知っている会社だから」
「将来性がありそうだから」
という理由だけで、集中投資のリスクがなくなるわけではありません。
山崎氏は銘柄選択や投資タイミングについて、自分や専門家が市場参加者を継続的に上回る能力を持っていると簡単に仮定しない考え方を示していました。
初心者が混同しやすいのが、
「良い企業であること」と「今その株を買えば高い投資成果を得られること」は同じではない
という点です。
優れた企業でも、将来への期待がすでに株価へ反映されている場合があります。
逆に株価が大きく下がったからといって、それだけで「割安」と判断できるわけでもありません。
だからこそ、長期的な資産形成では一つの銘柄の予想へ依存しすぎず、分散によって特定企業や特定市場の影響を小さくする考え方が使われます。
ただし、分散すれば元本割れしないわけではありません。
分散の目的は損失を消すことではなく、一つの判断ミスが資産全体を左右する度合いを下げることです。
7. 理解できない金融商品を買う
最後は、初心者にとって最も重要な見送り条件です。
仕組み、損失が発生する条件、手数料を理解できない商品へ投資しないことです。
「有名な金融機関の商品だから」
「プロが運用してくれるから」
「人気ランキングに入っているから」
という理由は、商品の仕組みを理解したことにはなりません。
最低でも、
- 何へ投資する商品なのか
- 何が起きると価格が下がるのか
- 元本割れの可能性があるのか
- 購入・保有・売却でどんな費用が発生するのか
- いつでも換金できるのか
- 自分の目的と投資期間に合っているのか
を確認したいところです。
これらを自分の言葉で説明できないなら、
「分からないから任せる」ではなく「分からないから、まだ買わない」
という判断ができます。
投資では、買わないことにも手数料はかかりません。
分からない商品を保留し、理解できるまで調べる時間を取ることも立派な投資判断です。
プロに任せれば安心とは限らないのはなぜ?
投資初心者が抱きやすい思い込みの一つが、
「自分より金融に詳しい人へ任せれば、より良い運用をしてくれるはずだ」
というものです。
金融機関や運用会社には専門知識を持った人がいます。
ただし、「金融商品の説明ができること」と「その商品があなたに最適であること」は別問題です。
山崎氏は、運用会社、販売金融機関、アドバイザーなどと投資家の利害が必ずしも完全には一致しない点を重視していました。
金融商品を販売・運用する会社は、販売手数料や運用管理費用などを事業収益にしています。
これは金融サービス自体が悪いという意味ではありません。
サービスを提供する会社が収益を得るのは通常のビジネスです。
だから利用者側も、
「自分は何に対して、誰へ、いくら支払っているのか」
を把握する必要があります。
山崎氏は当時、ファンドラップについても厳しい評価を示していました。
ファンドラップは、金融機関などに資産配分や運用管理を任せるサービスの一種です。
サービス自体の費用に加え、組み入れられた投資信託にも運用管理費用が発生する場合があり、山崎氏はこうした重層的なコストを問題視していました。
ただし、現在提供されているファンドラップや一任運用サービスを、一括して「悪い商品」と評価することはできません。
手数料、投資対象、サービス内容はそれぞれ異なり、変更されることもあります。検討時には必ず最新の公式資料や契約書面を確認する必要があります。
初心者がここで覚えるべきなのは「ファンドラップを使ってはいけない」という商品名ベースの暗記ではありません。
運用を他人へ任せても、自分まで理解を放棄してはいけないという原則です。
少なくとも「何へ投資するのか」「どんなリスクがあるのか」「何にいくら払うのか」が説明できないなら、契約を急ぐ必要はありません。
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投資初心者はNISA・iDeCoをどう考える?
商品を選ぶ前に、NISAやiDeCoなど税制上の制度をどう使うかも考える必要があります。
ただし、ここでも順番を逆にしてはいけません。
「NISAがお得だから投資する」「iDeCoで節税できるからお金を入れる」ではなく、自分のお金の目的に合う制度を選ぶことが先です。
2024年から始まったNISAでは、年間投資枠として「つみたて投資枠120万円」「成長投資枠240万円」が設けられ、併用すると年間最大360万円まで利用できます。
非課税保有限度額は総額1,800万円で、そのうち成長投資枠で利用できる額は1,200万円までです。
非課税保有期間は無期限です。
また、NISA口座で保有する商品を売却すると、その商品の取得価額に相当する非課税保有限度額を翌年以降に再利用できる仕組みがあります。
一方、iDeCoは老後資金を形成するための私的年金制度です。
掛金が所得控除の対象となり、運用益も非課税になるなど税制面で特徴があります。
ただし、原則として60歳まで資産を引き出せないという重要な制約があります。
ここで考えたいのが「そのお金をいつ使うのか」です。
例えば数年後の住宅購入に使う予定のお金を、原則60歳まで自由に引き出せないiDeCoへ多く回せば、税制上のメリットがあっても資金用途と合わない可能性があります。
制度は目的ではありません。
資産形成を支える「器」です。
私が初心者におすすめしたい順番は、
目的 → 使う時期 → 現金で残す金額 → 投資可能額 → 制度 → 商品
です。
多くの初心者は検索するときに「おすすめ投資信託」「おすすめ株」から入りがちです。
しかし、商品は最後です。
目的と期間が決まっていなければ、その商品が自分に合っているか判断する基準そのものがありません。
投資初心者は「買う商品」より「買わない条件」を決めよう
ここからは筆者としての考察です。
投資初心者向けの記事では、「おすすめ銘柄」「おすすめ投資信託」「今後期待できる市場」といった情報が目立ちます。
しかし私は、初心者が最初に作るべきなのは買い物リストではなく、見送り条件だと考えています。
例えば、次のようなルールです。
- 生活費を使わなければ買えないなら投資しない
- 数年以内に必要になるお金は安易に値動きの大きい資産へ入れない
- 仕組みを自分で説明できない商品は買わない
- 手数料の発生条件を理解できない商品は契約しない
- SNSで初めて知った商品をその場で買わない
- 一つの銘柄へ資産を過度に集中させない
- 「今買わないと損をする」という焦りだけでは動かない
- 自分の目的や資金の使用時期に合わない制度・商品を選ばない
このルールを作っておけば、新しい金融商品や投資テーマが出てきても判断しやすくなります。
「良い商品か悪い商品か」だけではなく、
「自分は今、この商品を買える状態なのか」
という視点を持てるからです。
私は、ここが投資初心者向け情報で特に抜け落ちやすい部分だと考えています。
商品選びの前には、もう一段階あります。
それが投資できる状態を作ることです。
家計が赤字なのか黒字なのか。
生活防衛資金があるのか。
そのお金をいつ使うのか。
どの程度の値下がりなら生活を変えずに持ち続けられるのか。
これらが整理されていなければ、どれだけ評判の良い商品を選んでも途中で計画が崩れる可能性があります。
「買わなかった利益」を損失だと思わない
もう一つ、初心者が覚えておきたいのが機会損失との付き合い方です。
買わなかった株が翌月に急騰すると、
「あのとき買っておけばよかった」
と思うでしょう。
しかし、その利益は購入前の時点では確定していません。
後からチャートを見れば簡単に見えても、実際には上昇するか下落するか分からない状態で判断しています。
にもかかわらず「買わなかった=損をした」と考え始めると、次に似た商品が現れたとき、
「今度こそ乗り遅れたくない」
と焦って投資しやすくなります。
ここには注意が必要です。
見送った投資で得られなかった利益と、実際に資金を投入して発生した損失は同じではありません。
初心者がすべての上昇相場を取る必要はありません。
分からない投資を見送り、資金を守ったこと自体が判断として正しかった可能性もあります。
私は、初心者にとって「チャンスを逃さない能力」より、理解できないチャンスを見送れる能力の方が重要だと考えています。
投資を今すぐ始めない方がよいケースもある
資産形成では「早く始めるほど運用期間を長く取れる」と説明されます。
これは重要な考え方ですが、だからといって誰でも今すぐ金融商品を購入すべきとは限りません。
例えば、
- 生活防衛資金がほとんどない
- 毎月の家計が赤字
- 数カ月から数年以内に大きな支出を予定している
- 高金利の借入返済を抱えている
- 投資商品の仕組みをほとんど理解していない
- 短期間で資産を何倍にもしたいという期待だけで始めようとしている
といった状態なら、商品購入より先に家計や目的を整理した方がよい場合があります。
これは「投資に向いていない人」が存在するという意味ではありません。
現在の状態では準備が整っていないだけです。
収支を把握する。
必要な現金を確保する。
借入を整理する。
投資の仕組みを学ぶ。
そのうえで余裕資金から検討する。
「投資を始める」より「投資できる状態を作る」が先。
これも初心者が遠回りを減らすための重要な判断基準です。
投資初心者が失敗を減らす正しい順番とは?
「結局、何から始めればいいのか」と迷ったら、商品名を検索する前に7つの順番で整理すると判断しやすくなります。
1. 投資する目的を決める
老後資金、教育資金、住宅資金、将来の余裕資金など、何のためのお金なのかを明確にします。
目的が違えば、必要になる時期も取れるリスクも変わります。
2. そのお金を使う時期を決める
近いうちに必要になる資金と、長期間使う予定がない資金では、同じ運用方法を選ぶ必要はありません。
三菱UFJ eスマート証券の初心者向け記事では、5年以内に使う予定のある資金を値動きの大きい株式へ投資することは適切とは言いにくい一方、20年以上先まで使わない資金なら、短期的な価格変動を許容しながら株式や株式型投資信託を活用する選択肢が考えられると説明されています。
3. 現金で残す金額を決める
日常生活、急な出費、近い将来の支出に必要な現金を投資資金と分けます。
ここを曖昧にしたまま投資額だけ増やさないことが重要です。
4. 投資できる金額を決める
「余ったら投資する」ではなく、家計を確認したうえで、値下がりしても日常生活へ影響しにくい範囲を考えます。
5. NISA・iDeCoなど利用する制度を検討する
税制上のメリットだけでなく、資金拘束や対象商品の違いを確認します。
制度ありきではなく、目的に合うかで選びます。
6. 商品の仕組み・リスク・コストを比較する
過去の値上がり率だけでなく、何に投資するのか、どの程度価格が動く可能性があるのか、どんな費用が発生するのかを確認します。
7. 自分で説明できるものだけ選ぶ
最後に、
「なぜこの商品なのか」
「何が起きれば損をするのか」
「いくら費用がかかるのか」
「何年間保有するつもりなのか」
を自分の言葉で説明できるか確認します。
答えられなければ、すぐ買わずに調べ直せばいいだけです。
私は、初心者が失敗する大きな原因の一つは知識不足そのものより、この順番を飛ばして商品選びから始めてしまうことだと考えています。
証券口座を開設することや注文を出すことは、投資のスタートに見えます。
しかし本当の最初の作業は、お金を動かすことではありません。
「このお金はいつ使うのか」
「いくらなら値下がりしても生活に影響しないか」
「なぜこの制度を使うのか」
「なぜこの商品を選ぶのか」
を整理することです。
ここまで決めておけば、相場が急上昇しても「乗り遅れる」と焦って飛びつきにくくなります。
下落したときにも、価格だけではなく「なぜ保有しているのか」という当初の目的へ戻れます。
投資初心者に必要なのは、相場を完璧に予測する能力ではありません。
相場が動いても、自分の判断基準まで動かさない仕組みを作ることです。
まとめ
投資初心者におすすめしないのは、単に「短期売買」だけではありません。
生活資金まで投資する、専門家へ最終判断を丸投げする、SNSや知人の情報だけで買う、手数料を確認しない、短期の値動きだけで売買する、一つの銘柄へ集中する、理解できない商品を買うという7つの行動には特に注意が必要です。
経済評論家・山崎元氏が示してきた投資判断の考え方を整理すると、初心者に必要なのは「次に値上がりする商品を当てる能力」より、損得を自分で考え、分からないものを見送る能力だと分かります。
また、資産運用初心者向けの情報からも、投資前に生活防衛資金を確保し、資金を使う時期を決め、その後に投資可能額や制度、商品を選ぶという順番の重要性が見えてきます。
投資は、最初から完璧な銘柄を探す競争ではありません。
目的を決める。
使う時期を決める。
生活資金を守る。
投資できる金額を決める。
制度を比較する。
リスクと手数料を確認する。
そして、自分で理解できる商品だけを選ぶ。
この順番を守るだけでも、初心者が避けられる失敗は少なくありません。
筆者として、投資初心者が最初に覚えたい言葉は「おすすめ」より「見送り」だと考えています。
投資情報が増えるほど、全部のチャンスへ参加する必要はありません。
分からないものを買わない。
生活を壊す金額を入れない。
焦っているときは決めない。
他人に最終判断を渡さない。
何を買うかより先に、何を買わないかを決める。
それが、投資初心者が資産を守りながら学び続けるための現実的な第一歩です。
よくある質問
投資初心者が最初にやってはいけないことは何ですか?
生活費や近いうちに必要になるお金まで投資へ回し、商品を理解しないまま購入することは避けたい行動です。
まず投資目的と資金を使う時期を確認し、生活防衛資金を確保したうえで、余裕資金の範囲から投資を検討するのが基本です。
SNSで人気の投資商品なら初心者でも買っていいですか?
SNSで人気があるという理由だけで購入するのはおすすめできません。
発信者と自分では投資目的、資産額、投資期間、許容できる損失が違います。投資対象、リスク、手数料を一次情報で確認し、自分の目的に合う理由を説明できなければ見送る判断も必要です。
投資初心者は短期売買より積立投資の方がいいですか?
長期的な資産形成が目的であれば、一定額を継続して投資する積立は、毎回の売買タイミングを判断する負担を減らしやすい方法です。
ただし、積立でも元本割れの可能性はあります。生活防衛資金を確保し、投資期間、分散、コスト、自分の目的を確認したうえで判断することが重要です。
最短資産設計ライター・神崎レン
投資で大切なのは、すぐに増やすことではありません。
自分の資金、許容できるリスク、将来の目標に合わせて、無理のない形で学び始めることです。FXを含む投資や副業の選択肢を整理したい方は、ゼロアカのLINEから確認してください。



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