投資初心者の積立方法は、生活に必要な現金を確保したうえで、NISAなどを使い、理解できる商品を無理のない金額で自動積立することが基本です。
2026年時点のNISAでは、18歳以上のつみたて投資枠は年間120万円ですが、上限まで投資する必要はありません。初心者ほど「目的→使う時期→家計→制度→商品→金額→自動化」の順番で決める方が、長く続けやすくなります。
FXや投資に興味がある方は、始める前に「増やすこと」だけでなく、リスクや資金管理の考え方も整理しておくことが大切です。
ゼロアカのLINE無料登録はこちら
投資初心者の積立方法とは?NISAを使う前に仕組みを理解する
積立投資とは、毎月1万円など、あらかじめ決めた金額を定期的に金融商品へ投資していく方法です。
金融庁も資産形成の基本として「長期・積立・分散」を紹介しており、株式や投資信託には元本割れの可能性がある一方、投資期間や購入時期、投資対象を分散する考え方を示しています。
投資初心者が利用できる代表的な積立方法には、次があります。
- NISAのつみたて投資枠を使った投資信託積立
- 課税口座での投資信託積立
- iDeCoを使った老後資金の積立
- 証券会社が提供する株式積立
- ロボアドバイザーなどを使った積立運用
この中でも、これから資産形成を始める初心者が最初に理解しておきたいのが、NISAのつみたて投資枠を利用した投資信託の積立です。
2024年から始まった現在のNISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります。
2026年時点では、18歳以上の場合、つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円で、併用すると年間360万円まで投資できます。
非課税保有期間は無期限で、非課税保有限度額は両枠を合わせて1,800万円です。そのうち成長投資枠で利用できるのは1,200万円までとなっています。
ここで最初に理解したいのは、NISAそのものは金融商品ではないという点です。
NISAは、一定の条件を満たす投資によって得た利益を非課税にできる制度です。
NISA口座を開設しただけで資産が自動的に増えるわけではありません。
「NISAという箱」の中で、
- 何を買うのか
- 毎月いくら買うのか
- どれくらいの期間保有するのか
- どの程度の値下がりまで受け入れるのか
を自分で決める必要があります。
私は、投資初心者が最初に覚えるべきなのは、人気の商品名よりもこの構造だと考えています。
制度を選ぶ。その中で商品を選ぶ。その前に家計を整える。
この順番が逆になると、「おすすめされた商品を買ったものの、自分が何に投資しているのかわからない」という状態になりやすいからです。
なぜ投資初心者には積立投資が始めやすいのか?
投資初心者に積立投資が使いやすい理由は、少額で始めやすく、購入タイミングの判断を減らし、買付時期を分散できるからです。
ただし、「積立なら安全」「長く続ければ必ず利益が出る」という意味ではありません。
少額から実際の値動きを経験できる
現在は、投資信託を100円単位から積み立てられる証券会社があります。
たとえばSBI証券では、一部の例外を除き、投資信託の積立買付を100円から設定できます。
楽天証券も投信積立について、100円以上1円単位で設定できると案内しています。
つまり、投資初心者だからといって、最初から毎月3万円や5万円を用意する必要はありません。
ここで大切なのは、少額投資の目的を「大きく増やすこと」ではなく「投資に慣れること」と考えることです。
月3万円を設定して家計が苦しくなり、半年でやめる。
それよりも、月5,000円や1万円から始めて、値動きを経験しながら長く続ける方が積立投資の性質には合っています。
「今は買い時か」を毎月判断しなくて済む
投資初心者が想像以上に迷いやすいのが、買うタイミングです。
株価が上がっていると、
「高値づかみになるのではないか」
と不安になります。
逆に相場が下がると、
「もっと下がってから買った方がいいのではないか」
と考えます。
その結果、半年、1年と投資を始められないことも珍しくありません。
積立設定を利用すると、あらかじめ決めた金額を指定日に自動で購入できます。
楽天証券の場合、証券口座からの積立では毎月1日から28日までの中から積立指定日を選択できます。
金融機関や決済方法によって細かな条件は異なりますが、本質は同じです。
毎月「買う・買わない」を判断しなくて済む状態を作ることに、自動積立の大きな意味があります。
私は、これは投資商品の機能というより「感情を管理する仕組み」だと考えています。
投資では、良い判断を増やすことと同じくらい、余計な判断を減らすことが重要だからです。
購入時期を一つに集中させにくい
一定額を定期的に購入すると、価格が高いときには少ない数量、価格が低いときには多い数量を購入する形になります。
一般に「ドル・コスト平均法」と呼ばれる考え方です。
たとえば毎月1万円を投資するとします。
- 価格が1万円なら1口
- 価格が5,000円なら2口
- 価格が2万円なら0.5口
というイメージです。
これによって、一度に全額を投資する場合と比べて、購入価格を一つの時点に集中させることを避けやすくなります。
ただし、ドル・コスト平均法は利益を保証する方法ではありません。
投資対象が長期的に下落すれば、積立を続けても損失が生じます。
反対に、相場が一貫して上昇した場合には、最初にまとまった資金を投資した方が最終的な利益が大きくなるケースもあります。
したがって、「ドル・コスト平均法なら勝てる」と考えるのは適切ではありません。
積立投資の価値は、購入時期を分散しながら、決めたルールで投資を続けやすくすることにあります。
投資初心者が積立を始める方法は?7ステップで解説
投資初心者が積立を始めるなら、証券会社のランキングで1位の商品を買うところから始める必要はありません。
おすすめする順番は、目的→使う時期→家計→制度→商品→金額→自動設定です。
1. 何のために積み立てるのか決める
最初に決めるのは商品ではなく、目的です。
たとえば、
- 20年以上先の老後資金
- 将来の生活の選択肢を増やす資金
- 10年以上先に使う可能性がある資金
- 長期的な資産形成
などが考えられます。
ここで重要なのが、「いつ使うお金なのか」です。
老後まで使わないお金と、5年後に住宅購入で使う可能性があるお金では、同じ運用方法が適しているとは限りません。
株式中心の投資信託は、短期間で大きく値下がりすることがあります。
使う時期が近い資金まで投資してしまうと、必要になったときに相場が下落している可能性があります。
投資商品を決める前に、資金の使用時期を決める。
これが最初のステップです。
2. 投資に使ってはいけないお金を分ける
次に、毎月いくら投資できるかではなく、いくら投資してはいけないかを確認します。
確認したいのは、
- 毎月の生活費
- 家賃や住宅ローンなどの固定費
- 借入金の返済
- 数年以内に必要になる予定資金
- 急な支出に備える現金
- 毎月の収入と支出
です。
たとえば、引っ越し、車の購入、教育費、住宅関連費など、近い将来に使う可能性が高い資金は、価格変動の大きい商品へ安易に回さない方が管理しやすくなります。
また、収入減や家電の故障など、予定外の支出にも現金は必要です。
私は、初心者ほど「いくら投資するか」の前に、投資せず現金で残す範囲を先に決めるべきだと考えています。
投資で最も避けたいのは、価格が下がることそのものではありません。
価格が下がっている時期に生活費が足りなくなり、売りたくない資産を売らなければならなくなることです。
3. NISA・iDeCo・課税口座を比較する
次に、積立に使う制度や口座を確認します。
代表的な選択肢は、NISA、iDeCo、通常の課税口座です。
| 比較項目 | NISAのつみたて投資枠 | iDeCo | 課税口座の投信積立 |
|---|---|---|---|
| 主な用途 | 長期的な資産形成 | 老後資金形成 | 幅広い資産運用 |
| 運用益への税制 | 一定範囲で非課税 | 運用益は非課税 | 原則として課税 |
| 投資・拠出上限 | 18歳以上のつみたて投資枠は年間120万円 | 加入区分などにより異なる | 金融機関や商品による |
| 途中の引き出し | 売却可能 | 原則60歳まで不可 | 売却可能 |
| 主な特徴 | 非課税と資金の自由度を両立しやすい | 掛金が全額所得控除の対象 | NISA対象外の商品も選べる |
2026年時点のNISAでは、18歳以上の場合、つみたて投資枠は年間120万円です。
月額にすると10万円相当ですが、月10万円を投資すべきという意味ではありません。
あくまで制度上利用できる年間の上限です。
月1万円なら年間12万円。
月5,000円なら年間6万円です。
使わなかった枠を見て「もったいない」と感じる必要はありません。
一方、iDeCoは老後資金を作るための私的年金制度です。
掛金は全額所得控除の対象で、制度内の運用益も非課税となります。
ただし、原則として60歳になるまで資産を引き出せません。受給開始年齢は通算加入者等期間などによって異なる場合があります。
この違いは非常に重要です。
税制上のメリットだけを見るのではなく、「その資金を途中で使う可能性があるか」まで含めて制度を選ぶ必要があります。
なお、2026年度税制改正では、2027年以降のNISA制度について、つみたて投資枠の年齢要件見直しなどが示されています。
この記事では2026年時点で実際に利用する成人初心者を前提に説明しています。制度は改正されることがあるため、利用時には金融庁や各金融機関の最新情報も確認してください。
4. 積み立てる投資信託の中身を確認する
制度を決めたら、ようやく商品を見ます。
NISAのつみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託などが対象です。
しかし、対象商品ならどれを選んでも同じではありません。
最低限、次を確認してください。
- 何に投資する商品なのか
- 国内と海外のどこへ投資するのか
- 株式だけなのか、債券などを含むのか
- どの指数への連動を目指しているのか
- インデックス型かアクティブ型か
- 信託報酬などのコストはいくらか
- 為替変動の影響を受けるのか
- どの程度の価格変動が想定されるのか
投資信託には、多数の株式や債券へまとめて投資できる商品があり、個別株1社だけを保有するより分散しやすい場合があります。
しかし、投資信託だから低リスクとは限りません。
世界中の株式へ分散する投資信託でも、株式市場全体が下落すれば基準価額は大きく下がる可能性があります。
重要なのは、「人気だから」ではなく、自分が何を持っているのか説明できる状態で買うことです。
SNSで何度も見たから。
ランキング1位だったから。
直近のリターンが高かったから。
それだけで購入すると、値下がりしたときに保有を続ける根拠がなくなります。
5. 毎月の積立額を決める
積立額は、「20年後にいくら欲しいか」だけでは決めません。
今の家計から、何円なら無理なく長期間出せるかを確認します。
毎月1万円を積み立てても生活費や貯蓄に影響がないなら、1万円が候補です。
月1万円が負担なら、5,000円でも構いません。
SBI証券や楽天証券のように、投資信託を100円から積み立てられるサービスもあります。
投資初心者の場合、私は「相場が上がっているときに払える金額」ではなく、相場が大きく下がっても継続できる金額を基準にする方が合理的だと考えています。
上昇相場では、誰でも投資額を増やしたくなります。
本当にその積立額が適正かどうかがわかるのは、自分の評価額が大きく減ったときです。
6. 買付日と支払方法を設定して自動化する
積立額が決まったら、自動買付を設定します。
証券会社によって、
- 証券口座の現金から買い付ける
- 銀行口座から資金を入れる
- クレジットカード積立を使う
- 対応する電子マネーなどを使う
といった方法があります。
対象商品、最低積立額、カード積立の上限、ポイント還元条件などは金融機関によって異なり、変更される場合もあります。
利用するときは最新の公式情報を確認してください。
初心者が注意したいのは、ポイント還元率から証券会社や商品を決めないことです。
ポイントは付加的なメリットです。
投資対象、手数料、NISAへの対応、サービスの使いやすさを確認したうえで比較する方が順番として合理的です。
7. 定期的に見直し、毎日は触らない
積立設定が終わった後は、毎日売買する必要はありません。
一方で、「20年間何も確認しなくてよい」という意味でもありません。
定期的に確認したいのは、
- 積立額が現在の家計に合っているか
- 当初の投資目的が変わっていないか
- 商品の方針やコストに大きな変更がないか
- 資産配分が自分の想定から離れていないか
- 数年以内に使う資金まで投資していないか
といった点です。
転職、結婚、出産、住宅購入などによって家計は変わります。
収入が減ったなら積立額を下げる。
家計に余裕ができたなら増額を検討する。
それで問題ありません。
積立額を変更することは失敗ではなく、家計に合わせた調整です。
投資は、焦って始めるほど判断を誤りやすくなります。自分に合う資産形成の考え方を、無料で確認してから進めてください。
無料で資産形成の選択肢を確認する
毎月1万円を積立すると20年後はいくら?複利を具体例で確認
積立投資では、毎月の金額と同じくらい「投資期間」が重要です。
たとえば毎月1万円を20年間積み立てる場合、投資元本は、
1万円×12か月×20年=240万円
です。
運用による増減を考えなければ240万円です。
一方、運用で得た利益を再び運用することで、利益がさらに利益を生む「複利」の効果が期待できます。
毎月末に1万円を20年間積み立て、一定の年率で運用できたと仮定した概算では、次のようになります。
- 年1%なら約266万円
- 年3%なら約328万円
- 年5%なら約411万円
ただし、この数字には重要な前提があります。
年1%、3%、5%で毎年安定して増えることを約束したシミュレーションではありません。
実際の株式や投資信託は、毎年同じ割合で増えるわけではありません。
ある年には20%上昇し、別の年には20%以上下落することもあり得ます。
さらに、選択する商品、手数料、運用期間、積立タイミングなどによって結果は変わります。
そのため、積立シミュレーションを「将来の資産額を当てる道具」と考えない方がよいでしょう。
本来の使い方は、目標額に対して、現在の積立額と期間がどの程度の関係にあるかを確認することです。
たとえば20年後に必要な金額から逆算すると月8万円必要だったとします。
しかし、現在の家計では月8万円を投資すると生活が苦しくなる。
その場合、「無理をして8万円投資する」が正解ではありません。
積立期間を延ばす。
目標額を見直す。
支出を整理する。
収入を増やす。
こうした選択肢まで含めて考える必要があります。
ここで、積立投資を資産形成だけの問題にしない視点が重要になります。
毎月の積立額は、投資商品だけで決まるのではなく、家計と働き方によって決まる。
私はこの点を初心者ほど意識した方がよいと考えています。
積立額を増やしたいなら、投資で高い利回りを狙う以外にも、固定費を減らす、副業などで収入余力を作るという方法があります。
資産形成は「どの商品を買うか」だけではなく、投資に回せる余剰資金そのものをどう作るかまで含めて設計した方が長く続けやすくなります。
投資初心者が積立方法で失敗しやすいポイントは?
積立投資は買付を自動化できますが、リスクまで自動的になくなるわけではありません。
初心者ほど、始める前に「何をしないか」を決めておくことが重要です。
NISAなら損をしないと思う
最も基本的な誤解が、「NISAなら安全」という考え方です。
NISAは税制上の制度であり、投資先の値下がりを防ぐものではありません。
100万円で購入した投資信託の評価額が80万円になれば、NISA口座でも評価損は20万円です。
非課税と元本保証は別物です。
金融庁も、株式や投資信託などの運用商品には元本割れのおそれがあると明示しています。
生活に必要な現金まで投資する
積立に慣れると、
「現金で持っているのはもったいないのでは」
と感じることがあります。
しかし、現金には投資商品にはない役割があります。
収入減、家電の故障、医療費、引っ越しなど、突然必要になる支出へすぐ対応できることです。
その資金まで投資すると、相場が下落しているときでも売却しなければならなくなる可能性があります。
筆者としては、初心者にとって重要なのは、下落を避ける商品を探すことより、下落時に売らなくて済む家計を作ることだと考えています。
これは単なる貯金の話ではありません。
長期投資を続けるためのリスク管理です。
NISAの年間120万円を使い切ろうとする
2026年時点で、18歳以上のNISAつみたて投資枠は年間120万円です。
しかし、これは目標額ではありません。
年間30万円しか余剰資金がない人が、生活資金を取り崩して120万円投資する必要はありません。
非課税枠を使い切ることより、家計を壊さないことが優先です。
なお、NISAでは保有商品を売却すると、その商品の取得金額に相当する非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。
ただし、その年の年間投資枠が上乗せされる仕組みではありません。
このような制度の細部まで含め、「枠を埋めないと損」という発想で判断しないことが大切です。
SNSやランキングだけで商品を決める
投資関連のSNSでは、
「初心者ならこれ一本」
「これだけ買えばいい」
といった簡単な答えが人気になりやすい傾向があります。
しかし、同じ商品でも適切な人とそうでない人がいます。
投資期間、保有資産、収入、今後の支出予定、値下がりへの耐性が違うからです。
また、過去に高いリターンを記録した商品が、将来も同じ成績になる保証はありません。
少なくとも購入前には、目論見書などで投資対象、リスク、コストを確認してください。
信託報酬などのコストを確認しない
投資信託では、信託報酬などのコストが発生します。
長期間保有する場合、小さなコスト差でも累積すると運用結果へ影響します。
特に似た指数への連動を目指すインデックスファンドを比較するときは、コストは重要な確認項目です。
ただし、「信託報酬が最も低ければ無条件で最良」とも限りません。
投資対象、指数、運用方法、純資産、その他の費用などを含めて確認する必要があります。
下落した瞬間に全部やめる
長期で投資するなら、相場が大きく下落する時期を経験する可能性があります。
評価額が減れば、
「これ以上損したくない」
と感じるのは自然です。
しかし、毎回の下落で積立方針を変更すると、短期的な感情に投資判断を支配されやすくなります。
もちろん、何があっても持ち続ければよいわけではありません。
商品の運用方針が変わった、自分の生活状況が変わった、当初の投資目的がなくなった、といった場合は見直しが必要です。
一方、市場全体が下落したという理由だけで慌てて方針を変えないためには、始める前に考えておくことがあります。
「評価額が20%、30%下がっても、この積立額なら生活に影響しないか」
具体的な下落率を想像すると、自分のリスク許容度を考えやすくなります。
NISAとiDeCoはどう使い分ける?積立目的から逆算する
NISAとiDeCoで迷ったら、「どちらがお得か」より、いつ使う資金なのかから考えると整理しやすくなります。
NISAで購入した商品は売却できるため、老後資金だけでなく長期的な資産形成にも利用しやすい制度です。
2026年時点のNISAは非課税保有期間が無期限で、保有商品を売却した場合には、その取得金額分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。
一方、iDeCoは老後資金形成を目的とした制度です。
掛金が全額所得控除の対象となり、制度内の運用益も非課税で再投資されるという税制上の特徴があります。
ただし、原則として60歳までは資産を引き出せません。
そのため、
- 老後まで使わない資金を積み立てたい
- 所得控除を活用できる
といった場合には、iDeCoを検討する意味があります。
一方、
- 老後より前に使う可能性がある
- 資金の自由度を残しておきたい
という場合には、NISAの方が目的に合うケースがあります。
なお、NISAとiDeCoは併用できます。
しかし、投資初心者が最初から制度を複雑に使い分ける必要はありません。
私なら最初に、お金を3つに分けます。
「近いうちに使うお金」「緊急時に使うお金」「長期間使わないお金」です。
そして、長期間使わないお金の中から、NISAやiDeCoへ回す金額を考えます。
制度から考えるのではなく、お金の役割から制度を選ぶわけです。
この順番なら、税制メリットだけを見て、必要な資金まで長期間動かせなくする失敗を避けやすくなります。
投資初心者に最適な積立方法は?「退場しない設計」を優先する
ここからは筆者としての考察です。
投資初心者向けの記事では、「おすすめ投資信託」や「毎月いくら積み立てるべきか」が注目されがちです。
しかし私は、積立投資で最初に決めるべきなのは銘柄でも金額でもないと考えています。
先に、途中でやめる原因を減らすことです。
積立設定自体は難しくありません。
本当に難しいのは、その後10年、20年と投資を続けることです。
相場が好調なときは簡単です。
問題は、自分の資産が大きく減ったときです。
ニュースで株価下落が報じられ、SNSに「暴落」という言葉が並び、自分の評価額まで減っていく。
そこで初めて、自分がどれだけ価格変動に耐えられるかが見えてきます。
生活費まで投資している人は、精神的にも家計的にも耐えにくくなります。
反対に、必要な現金を残し、長期間使わない余剰資金だけで積み立てているなら、「今すぐ売らなければならない理由」を減らせます。
だから私は、良い積立方法とは最高の利回りを狙う方法ではなく、途中で市場から退場しにくい方法だと考えています。
ここには、投資商品の分散だけではなく「家計の分散」という視点も必要です。
全財産を投資資産に変えない。
現金も持つ。
数年以内に使うお金は分ける。
収入に余裕がなければ積立額を抑える。
これは期待リターンを最大化する方法ではありません。
しかし、資産形成を人生の途中で中断しないための設計としては重要です。
もう一つ、積立投資では「判断回数を減らす」という発想が有効です。
初心者ほど、
「今月は高そうだから積立を休もう」
「来月は暴落しそうだから待とう」
「下がったから全部売ろう」
と、その都度新しい判断を追加したくなります。
しかし、将来の相場を毎月正確に予測し続けるのは現実的ではありません。
だから、自分で決められる部分を先に固定します。
目的を決める。
投資額を決める。
商品を理解する。
積立を自動化する。
見直す条件を決める。
そのうえで、短期的な値動きには必要以上に反応しない。
積立投資とは、定期的にお金を投じる方法であると同時に、自分の感情が売買へ介入する回数を減らす仕組みでもあります。
これが、投資初心者に積立投資が使いやすい大きな理由だと私は考えています。
さらに、「少額から始める」という言葉を、「ずっと少額でいなければならない」と考える必要もありません。
最初は月5,000円。
投資と家計管理に慣れたら月1万円。
昇給や固定費削減で余裕ができたら月2万円。
このように、家計の成長に合わせて積立額を育てる方法もあります。
そして、ここが資産形成初心者にとって見落とされやすいポイントです。
投資額を増やす方法は、「もっと高い利回りの商品を探すこと」だけではありません。
固定費を減らす。
本業の収入を上げる。
副業によって月1万円、2万円の余剰資金を作る。
こうした方法でも、長期的な積立余力は変わります。
たとえば、無理にリスクを上げて年利を1%高めようとするより、家計改善や収入増によって毎月の積立額を5,000円増やせる方が、自分でコントロールしやすい場合があります。
資産形成とは投資商品の選択だけではなく、「投資できる家計」を作ることまで含めた設計です。
投資初心者は、最適な商品を完全に見つけてから始める必要はありません。
大きな失敗を避けられる金額で始める。
実際の値動きを経験する。
家計と知識に合わせて調整する。
遠回りに見えて、この方が長期では迷いを減らしやすいと私は考えています。
まとめ|投資初心者の積立方法は目的・家計・NISAの順で決める
投資初心者が積立投資を始めるなら、最初に人気商品を探すのではなく、目的→使う時期→家計→制度→商品→積立額→自動設定の順番で考えることが重要です。
2026年時点では、18歳以上のNISAつみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円で、併用すると年間360万円まで投資できます。
非課税保有期間は無期限、非課税保有限度額は合計1,800万円です。
ただし、年間120万円の枠を使い切ることが目標ではありません。
月1万円が無理なく続くなら月1万円。
月5,000円の方が安心なら5,000円。
少額から値動きを経験したいなら、100円から積み立てられるサービスを利用する方法もあります。
同時に、NISAも積立投資も元本保証ではありません。
投資信託の価格が下がれば損失が生じる可能性があり、ドル・コスト平均法でも損失を完全に防ぐことはできません。
だからこそ、近いうちに使うお金や緊急時に必要な現金を先に分けておく必要があります。
投資初心者が最初に探すべきなのは、「一番増えそうな商品」ではありません。
相場が下落しても、家計を壊さず、慌てて売らずに済む積立方法です。
長期の資産形成では、投資利回りだけでなく「続けられる仕組み」が重要です。
遠回りを減らしたいなら、投資額を増やす前に、投資を続けられる家計とルールから整えてください。
よくある質問
投資初心者は毎月いくらから積立を始めればいいですか?
全員に共通する適正額はありません。
SBI証券や楽天証券では、一部商品を除いて投資信託を100円から積み立てられますが、大切なのは最低金額ではなく、生活費や緊急時の現金を残しても継続できる金額です。
月1万円が負担なら、月5,000円から始めても構いません。
NISAの年間投資枠を使い切ることより、下落相場でも生活を圧迫せず続けられることを優先してください。
NISAのつみたて投資枠なら損をしませんか?
損失が発生する可能性があります。
NISAは一定の投資利益を非課税にする制度で、投資元本を保証する制度ではありません。
購入した投資信託などの価格が下落すれば、NISA口座でも元本割れする可能性があります。
「非課税」と「元本保証」を混同しないことが重要です。
積立投資は一度設定したら金額を変えない方がいいですか?
家計や生活状況に応じて変更して問題ありません。
収入が減った、大きな支出予定ができたという場合は減額し、家計に余裕が増えた場合は増額を検討できます。
積立額を固定し続けること自体が目的ではありません。
生活を圧迫せず、長期的に続けられる状態を維持することを優先してください。
最短資産設計ライター・神崎レン
投資で大切なのは、すぐに増やすことではありません。
自分の資金、許容できるリスク、将来の目標に合わせて、無理のない形で学び始めることです。FXを含む投資や副業の選択肢を整理したい方は、ゼロアカのLINEから確認してください。


コメント